福井市議会は、令和元年9月定例会において、多岐にわたる課題を議論した。医療費助成制度においては、子ども医療費の窓口無料化が実施されているものの、一部負担金の廃止については慎重な姿勢を市側が示した。東村新一市長は、自らの見解として、過剰受診を抑制する観点からも自己負担金は必要だとし、近隣自治体のように高校生までの助成対象の拡大は難しいとの認識を強調した。
加えて、重度障害者医療費の窓口無料化についても同様の消極的回答があり、県内一斉の取り組みが期待される中での市単独の実施は考えていないとの回答があった。
また、民生委員の活動費については市内各地区での支給が行われているものの、個別支給を希望する声が少なくないため、今後は個々のコミュニケーションを強化し、支給方法に見直しをとの提案があった。督促が必要な状況であることは周知されていることが、評価の一因として考えられる。
不登校の児童・生徒に対する支援体制が整いつつある中でも、明確な予防策の強化が求められた。特に、教育長は学校や教育委員会としての対応を説明し、スクールカウンセラー等との連携を強化することで、適切な情報支援を行っているとの見解を示した。
福井市の自然災害への対策としては、総合防災訓練が定期的に実施され、多様な災害への対応力を高めるための取り組みが評価されている。近年の大規模な災害を鑑みて、実戦感覚に基づいた訓練の重要性が強調され、今後も水害対策の専門的な訓練が必要視される。
観光振興については、高知市との交流がもたらす新たなビジネスチャンスが期待されているものの市長は、経済的効果への疑念を示している。福井市としてのブランド強化を図るため、高知市との協力関係が模索される中、夏季イベントや文化交流を踏まえた具体的な施策が必要とされている。