令和2年9月に開催された香取市議会定例会では、複数の議案が可決され、今後の施策に影響を与える重要な内容が議論された。
最も注目されたテーマは、令和2年度香取市一般会計補正予算（第6号）に関する議案である。総務企画常任委員会の報告において、観光振興対策事業が新型コロナウイルスの影響を受けた観光需要の回復を図るための支援策として紹介された。委員の質疑に対し、総務企画常任委員長の奥村雅昭氏は、「地域特産品を宿泊客に提供する取り組みに対し支援するものである」と明言した。
また、工事請負契約の締結についても議論された。議案第15号については、佐原駅周辺地区の公共施設整備管理運営事業の維持管理運営費が約21億6,260万円にのぼることが発表され、コスト縮減の観点から技術評価点の低い安価な業者が選定されたことに対して質疑が入った。これに対し、同氏は「要求水準を下回るものでない」との見解を示した。
さらに、議案第20号の地域防災対策事業においては、災害対策本部と避難所とのリアルタイム情報連携の強化を目的としたパソコンの整備が計画され、災害時の対応力向上に寄与する狙いがある。
一方、福祉教育常任委員会は、議案第12号「香取市ひとり親家庭等医療費等の助成に関する条例の一部を改正する条例」の改正について、患者数に関する質疑が行われ、受給対象者が子や保護者両方に広がることが報告された。今後、1,177名の受給を見込んだ支援策が期待される。
最後に、発議案第1号と第2号として、義務教育費国庫負担制度の堅持や教育予算の拡充に関する意見書が採択され、教育の充実を目指す議会の姿勢が強調された。会議は円滑に進行し、全議案が原案通り可決される結果となった。